登山の始め方~いろんな始め方とメリット・デメリット
2022/01/22
登山の始め方①ひとりで始める
ひとりで始めるメリット
ひとりで始める一番のメリットは、「自分のペースで登れること」「同行者に気を遣わなくていいこと」など、気持ちの余裕などの面が大きいかと思います。しんどくなったら10分おきに休憩したって構わないわけですから、とても気楽です。
あとは、続けられるかどうか分からないので「人を期待させなくて済む」と言うこともあるでしょう。
ひとりで始めるデメリット
「危険」
どれだけ事前情報を集めても、やはり山は何があるかわかりません。登山道が整備されているルートでも、倒木ひとつで道を見失うこともあります。
また、ちょっとでも想定外のことが起きた場合、相談する相手がいないと、冷静に判断することは意外に難しくなります。
学校で問題を解いている時、どうしても分からない問題を友人に相談しようとしたら、声に出しているうちに自己解決、なんて経験はありませんか?誰かと相談する行為自体が、冷静な判断に繋がることはよくあります。
一番怖いのはケガや滑落など、ひとりで動けなくなるアクシデントが起きてしまった時。他の登山者が多い季節や時間帯、ルートであれば良いのですが、人が滅多に通らない場所だと助けてもらえません。
「ネットで人気の所に目が行きがち」
ひとりで山を始める場合、どうしても「ネットやSNSで話題になっている山」「誰もが知っている有名な山」に目が行ってしまいます。
有名無名を含めると、日本にはそれこそ無数に山があり、見所や魅力もそれぞれにあります。有名でない山も探せば情報は出てくるのですが、やはり「知らないと探せない」現象がここでも起こります。
よって、何も知らない人がひとりで山を選定するとどうしても「登山 初心者 おすすめの山」などで検索することになり、検索結果上位10位くらいまでに出て来た山にみんな行くと言う、とてつもなくつまらない現象が起こります。
(もちろん、みんながお勧めする山は当然良い山なのですが…)
登山の始め方②知り合いの経験者に連れて行ってもらう
知り合いの経験者に連れて行ってもらうメリット
知り合いの経験者に連れて行ってもらうデメリット
デメリットとして大きいのは、「いくら経験者やベテランであっても人間」と言う点です。
まずあなたとの相性の良し悪しがあります。仕事場などでは特に問題無い関係でも、山でお互い素に近い面を見せると、意外と合わなかったりします。
また、山に対するスタンスも人それぞれ。今から登山を始めるあなたにはいろんな楽しみ方や可能性が広がっているのです。しかし、経験者やベテランは既に「山登りはこうでないといかん!」と言うような、"自分の世界観"がありがち(もちろんそうでない人もいますが)。最初から同じ人とばかり何度も登山に行っていると、他の可能性が見えなくなってしまいます。
それにベテランだからって知識が万全とは限りません。昔の常識と今の常識は異なる場合があるので、"自分で新たに学ばないベテラン"はむしろいろいろ間違っている可能性すらあります。
登山の始め方③山岳会や登山会に入会する
山岳会や登山会に入会するメリット
山岳会の性格にもよりますが、やはり"知識・技術面で得るところが大きい"のは最も大きいメリットでどこの山岳会でも共通だと思います。
会員同士で情報交換や切磋琢磨する機会が多いため、古い常識にこだわっている人は限りなく少ないですし、いろんな楽しみ方をしている人を見ることができます。
特に「○○の山域は××さん」「△△の山域は□□さん」と言ったように、各山域を何十年も歩いているエキスパートみたいな人がいたりするため、山自体やルートに関する知識の蓄積が半端じゃありません。有名な山の、口伝でしか伝わっていない(ネットにも本にも出て来ない)ルートを知っていたりするので驚きです。
また複数人での山行が基本となるため、チームとして緊急時も迅速に正しい対応が取れる可能性が高く、ひとりで行くより圧倒的に安全です。
山岳会や登山会に入会するデメリット
デメリットとしては、山岳会を選び放題なのは都市・地方都市やその近郊にお住いの人だけで、都市部から離れたところにお住まいの方は山岳会の選択肢が少なかったり、そもそも無かったりする可能性もあります。
逆に言うと、山岳会を選び放題なのにその特権を利用していない都市部在住の方は、非常にもったいないことをしているとも言えますが…。
あとは、一応どこも会費がかかります。
とはいえ、会費はできるだけ安く抑えられている山岳会が多い(名古屋の山岳会はだいたい月1,000円前後)ですし、山に行く際は乗合で交通費を折半するので、一人で遠出する交通費を考えると遥かに安く済みます。
浮いた交通費で会費を払ってもお釣りが来るくらいなので、金銭的なデメリットは無いと言えます。
「山岳会はハードルが高い?」
登山を始めたばかりの方や、年配の方に山岳会への加入をお勧めすると、10人中9人くらいが「山岳会なんて自分にはとても付いていけない」「ハードルが高くて自信が無い」と言う答えが返ってきます。
それは完全に勘違いです。
もちろん、中には"体力無尽蔵の超人"が集った"ごりごりアルパイン志向の山岳会"もありますが、ごく一部です。
例えば、季節の花を楽しむのがメインの「ハイキング同好会」に近い山岳会もありますし、筆者が所属している山岳会は80人ほどの会員がいるため、計画される山行レベルもピンからキリまで。
うちの山岳会では、参加人数が多い時は体力レベルごとに5名くらいずつ班分けします。「ぜったい山頂に行く班」「時間が許せば山頂に行く班」「ぜったい山頂に行かない班」と言った感じです。なので、体力ある人も無い人も、ストレス無く参加することができます。
と言うことで、「山岳会なんてハードルが高い」と言うのは完全に勘違いです。
ただし山岳会ごとの性格は十人十色。事前にHPを探したり、定例会の見学をさせてもらったりして、自分に合いそうな山岳会に入りましょう!